探偵たる所以

6月 8th, 2004 § 0 comments

探偵がいなければ、探偵小説は成立しない。

他に被害者や犯人も不可欠のように思えるが、これは必ずしもそうではない。例えば「事故」だった場合、犯意を以て犯罪を実行するものとしての犯人は消滅するし、同時に(狭義の)被害者も意味を成さなくなる。被害者も含めて全員がグルだったという小説もあった。

しかし、いかなる特殊事件においても、謎を解くものとしての探偵の存在を否定することは出来ない。事故だろうがグルだろうが、謎が存在する限りそれは解消されねばならないのだ。そしてその、謎を解くという機能を抽出し、具体化したものを探偵という。

その意味において木更津悠也は探偵ではない。探偵ではなく名探偵なのである。なぜ彼が名探偵なのかは探偵である香月実朝が指摘しているのでここでは繰り返さない。ただ、探偵と名探偵ではそもそも役割が違うし、名探偵が必ずしも探偵役にふさわしいわけではないということだ。

大事なことなので、何度でも書こう。探偵小説に探偵は欠かせない。

だからこそ、麻耶雄嵩の『夏と冬の奏鳴曲』は特別なのだ。本来ならありえないことをやってしまったのだ。冬ソナだか何ソナだか知らんが、日本の夏は蒸し暑いよってことだ。あせもかゆいよってことなんだ。

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