木村榮一訳『コルタサル短篇集 悪魔の涎・追い求める男 他八篇』
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「続いている公園」は本を読む人なら必ず一度は空想したことがある。たった2ページほどのことながら、活字と非活字とが融合する様を描ききっている。公園はどこにでも続いている。
「夜、あおむけにされて」は夜を眠る人なら必ず一度は体験したことがある。夢にしては妙だった、と思った朝にはもう取り込まれている。支離滅裂な現実はつまり理路整然とした夢の裏側である。
「南部高速道路」は車を駆る人なら必ず一度は走ったことがある。車は人そのものを表すし、そこから生活が始まっても、何の不思議もない。その生活が一転、崩壊するのは疾走。代えがたい爽快感である。
そして最後は火。じっと見つめていると、その炎が世界で何を焼き尽くしたかがみえる。これから何が焼かれるのかも、もしかすると見えるのかも知れない。
Posted at 2005. 5.16|コメント(0)
