鯖書房 » 岩波文庫部 » 赤版 » イギリス文学 » ウェルズ作、中西信太郎訳『トーノ・バンゲイ(下)』
下巻こそ「トーノ・バンゲイ」炸裂を期待したのですが、実際のところは「ジョージ・ポンダレヴォーの恋愛論」じゃないですか。しかも「失敗例に学ぶ」とか何とか吹き出しでもつきそうな。
上巻の終わりあたりで「トーノ・バンゲイ」からは身を引いた「私」は、徐々に空中飛行の実験に身を入れはじめます。それがまさか、あのような形で実を結ぶことになろうとは。さすが。SF作家の面目躍如です(関係ないか)。
余談。下巻を読み進めていくうちに、妙な違和感がふつふつと。いや、むしろ上巻にはあった違和感がなくなってしまったような気が…。何だろうなぁと思ったら、字体でした。上巻は旧漢字だったのが下巻は新漢字になっているのです。奥付を見てみると、上巻の初刷が1953年なのに対し下巻は1960年。翻訳者いわく「公私のさまざまな事情により」とのことですが、そんなときこそアレの出番ではないですか。
「タ〜イ〜ム〜マ〜シ〜ン!」
ぴかぴか。
Posted at 2005. 6.12|コメント(0)
