鯖書房 » 岩波文庫部 » 赤版 » ギリシア・ラテン文学 » ロンゴス作/松平千秋訳『ダフニスとクロエー』
とくに考えがあったわけではなく、岩波の分類番号順に従っているだけなのですが、しかし『遊女の対話』の次がこれです。
単に制作年代順なのでしょうか。それとも岩波流のバランス感覚なのか。
もっとも、清らかさをお膳立てしているのが
・ピンチの際には神様が助けてくれる(主役なので)
・実は二人とも富豪の生まれ
・若い二人は相思相愛
・周囲の人々は(恋敵であっても)基本的にお人好し
ここまでくると、岩波文庫の本ジャンルに散見する非情さは本書でも健在なのかもしれません。
清らかな恋が円満に成就するにはそもそもこのくらいの前提が要ると。
と、つい脇役グナトーン(ヒーローに横恋慕する男色好きの腰巾着。一途。)のあんまりな扱いが不憫でこんなことを書いてみましたが、やはりこれは裏返さずに「ういういしいのう…」と読むのが正しいのだと思います。
ウェルベック『素粒子』の言う「本当に珍しい、奇跡的な」ケースに、最後まで(取り返しのつかない)邪魔が入らない、幸せな話、です。
Posted at 2007. 2. 2|コメント(0)
