«  Prev | Next  »

高津春繁・斎藤忍随著『ギリシア・ローマ古典文学案内』

鯖書房 » 岩波文庫部 »  赤版 » ギリシア・ラテン文学 »  高津春繁・斎藤忍随著『ギリシア・ローマ古典文学案内』

岩波文庫のギリシア・ラテン文学ジャンルには、各章のはじめに「梗概」が付けられているものがかなり有ります。
時間に追われている人に対して親切だなぁと思いつつ、それがまた肝心の本文より、すっきりと整理されているぶん(とくに話の筋については)梗概だけ読んだほうがむしろ頭に残りやすかったりするので、こういう便利なおまけがあると、はたして本文に通り一遍でもきっちりと目を通す人はどのくらい居るのだろうか、と。

そして本書は、それら重宝な梗概よりもさらに簡潔にまとまり、かつよりいっそう充実させた作品・作者・地理・時代背景・後代への影響ガイドになっています。
あまりにも充実していて、これをきっかけにして本ジャンルの岩波文庫を読んでみようという気になるのか、危ぶまれるような気がしてくるほどです。

むしろこれ1冊でかなり読んだつもりになりそうというか、過度の満足感が得られそうな…
実は、まだ手をつけていない青版ギリシャもの(本書はこの範囲もカバーしています)について、まさにいま↑この気分になっています。
おそらくこのまま相方に押し付けることになるのではと思われます。

コンパクトで入手もきっと容易(2005年8月で第50刷)、写真付き。
けっしてこれまで読んできた40数冊が無駄に思えるということはないのですが、(個人的に、ルキアノスは全文読んだほうが面白いと断言します)が、この無謀な苦行企画がなかったら、私はきっとまず最初にこの1冊を読んで、それでもうギリシア・ラテンには納得満足して、それっきりになったのではないか、という気がします。
良いガイドブックとはいったい何なのか、にわかに考えさせられました。

Posted at 2007. 3.25|コメント(0)


高津春繁・斎藤忍随著『ギリシア・ローマ古典文学案内』
 高津春繁・斎藤忍随著
 ギリシア・ローマ古典文学案内
 岩波文庫

«  Prev | Next  »