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マルサス/小林時三郎訳『経済学原理 (上)』

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中身は実質、マルサスとリカードとの対話集の体裁になっています。
本文→注釈の形式ではあるのですが、これはもう共著と言って構わないのでは。

リカードは未読で「自由貿易擁護」くらいしか思いつかないのですが、これしか知らないレベルでも上巻の終盤はハラハラします。

(p. 349) (本文:マルサス)もしある国がたんに低賃銀を求める競争に勝つだけで富裕になりうるならば、わたしはただちにこういいたくなる、こんな富は消え去ってしまえ! と。しかし、その食物のおもな部分を外国人から購買している国民は、この困難な方策をとるべく運命づけられているけれども、肥沃な土地の所有者にとってはそうではない。

(注:リカード)わたしもそういいたい。われわれは、労働者が豊かに供給されることを望み、そしてそれを実現させる途は、かれが消費するおもな貨物の労働価格を安くすることである、と主張する。マルサス氏は、その食物のおもな部分を外国人から購買する国民は、そのかわりに苛酷にもその労働階級に最低の賃金を与えざるをえない、といっている。これは問題をすりかえるものである。われわれは答える、これはその食物をその国民が購買するということに依存しなければならないのではなくして、それを購買する条件に依存しなければならないのであるーーどんな国民でも、もしかれらが自分の国でより安く買いうるならば、外国で買うことはないであろう。

この話題は現在の日本だと偽装やら汚染やらもからんでもう少しややこしくなりそうですがそれはさておき、
見解の不一致はあれやらこれやらあるらしいものの、泥仕合といったふうでは決してなく、こういう、もうちょっと勉強してから再読してみようと思わせる対論、国産ものではあまり見たことないような気がするのですが、どうなのでしょうか。

Posted at 2008. 12.31|コメント(0)


マルサス/小林時三郎訳『経済学原理 (上)』
 マルサス/小林時三郎訳
 経済学原理 (上)
 岩波文庫

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