鯖書房 » 岩波文庫部 » 青版 » 歴史・地理 » カエサル著、近山金次訳『ガリア戦記』
有史以来の地歴ブームが鯖書房を席巻していますが、ヘディンに続いてはカエサルがきました(脈絡などありませんよ)。
そう、カエサルはいい。モグラ叩きのようにぽこぽこ出てくるガリーをもれなくそつなく容赦なく叩きつづける。淡々と。だからカエサルはいいのだ。
引っかかったのはガリアの部族や風土を紹介する次の一節。
鹿の姿をした牛がいて、その両耳の間の額の中央から一本の角が、我らに知られている角などより高く真っ直ぐに生えている。その頂点は手か枝のように大きくひろがっている。[VI - 26]
鹿の姿をした牛を、鹿ではなくて牛と呼ぶのは何なのか。なぜ鹿と呼んではいけないのか。犬の姿をした猫は、犬ではなく猫なのか。象の姿をしたウワバミは、象ではなくウワバミなのか。土星人の姿をした火星人は、土星人ではなく火星人なのか。マンゴープリン味のキャラメルコーンは、マンゴーなのかプリンなのかキャラメルなのかコーンなのか!
注釈によれば、この節を含む前後数頁は、後世に挿入されたものだとする説もあるという。もしそれが正しければ、いよいよもって分からない。誰が、そして何のために、鹿を、牛を、マンゴープリンを…。
地歴ブームの思わぬ落とし穴といえよう。
Posted at 2005. 7. 5|コメント(0)
