ナカタさんがやったこと
鯖書房 » 読書部 » 日本の小説 » 村上春樹,海辺のカフカ(全2冊),新潮文庫(ネタバレあり)
ナカタさんに肩入れして読んでみた。15歳の少年田村カフカは行っても行きっぱなしじゃなくて、ちゃんと戻ってくるような気がした。だから安心感があった。でも、ナカタさんはどうなっちゃうんだろう。ただただお話に利用されて終わっちゃうのかなという不安があった。以下、ナカタさんパートネタバレにつきご注意ください。
↑ やっぱり読まない(ネタバレ閉じる)
ナカタさんがやったことを並べてみる。
- 猫たちとの対話(ゴマちゃん探し)
- ジョニー・ウォーカーとの対話
- ジョニー・ウォーカー殺害(ただし物的証拠なし)
- 自首(ただし相手にされず)
- 魚が降ることを予言(的中)
- ヒッチハイク(ホシノ青年との出会い)
- 入口の石探し(ただし発見して運んできたのはホシノ青年)
- 入口の石開く(ただし実行はホシノ青年)
- 佐伯さんとの対話
- 佐伯さんのファイルを焼く(ただし実行はホシノ青年)
- 寝た
- 死んだ
やってない。不思議なことは何もやってない。たぶんジョニーは殺してないし、佐伯さんは独自に亡くなってるし開いた石はホシノ青年が閉じた。そもそも石が開くとか閉じるとかがわからない。ナカタさんから出てきた白い生き物は不思議だが、それを倒したのはホシノ君だ。予言は、不思議だな。魚が降ること自体不思議だし、それを予言するのだからまぐれ当たりではないだろう。不思議だ。不思議だが、これは何だ?
カフカパートが少年の一人称なのに対し、ナカタパートは三人称、実は、ナカタさんは実在しないのではないか。ナカタさんは、猫やジョニー・ウォーカーや警官やホシノ青年や佐伯さんの見た夢なのではないか。そうだ、ナカタさんは夢なのだ。だから、ナカタさんが何をやったかを問うのは無意味で、むしろホシノ青年に着目したい。開いて閉じたホシノ青年を刮目したい。それでようやくこの小説の半分なのだが、ふう。
ナカタがそのうち現れるのを、待ちたい。夢を最近はちゃんと見てない。眠りに対しては否定的であるが、ちゃんと眠ることも時には必要なのだろう。機会があればまた取り上げるかも知れません。
Posted at 2005. 4.13|コメント(0)
村上春樹
海辺のカフカ(全2冊)
新潮文庫