現実を凝視する
鯖書房 » 読書部 » 評論/随筆 » 大塚英志,新現実 Vol.3,カドカワムック(ネタバレあり)
新現実のvol.3が出てしまったので、あわててvol.2を読んだり読まなかったり読んだふり。ようやく現実に追いついてきた。最新型の鯖書房です。それはさておき、vol.3は中上健次です。中上健次なのです。「フィギュアはついてません」。意味が分からない。中上健次にフィギュアがついてくるはずなかろう。中上健次なんだから。枯木灘なんだから。ところで、この、ちびっ子は誰ですか。中上健次ですか。いや、ちびっ子が中上健次のはずはなかろう。中上健次なんだから。地の果て 至上の時なんだから。中上健次とちびっ子は異なるものであろう。別人であろう。つまり、何かの間違いであろう。私はといえば町でいちばん大きい書店で新現実を手に取って、震える手に取って、しかし、レジへ持っていくことができなかった。この硬派な私が中上健次として持参した書籍にちびっ子が載っているというこの事実を、書店員は受け入れられないだろう。拒むであろう。新しい現実をリアルな現実として認識できないであろう。否否否万遍否!だから私は会計を済ますことができなかった。この平和な町を、善良な市民を恐慌の渦に巻き込まないために、そう、私は私を生贄とし、犠牲を最小限で食い止めるために代金引き換えを頼んだのだ。うちには配達しないでください。電話しないでください。郵便局留めにしてください。
Posted at 2004. 5.10|コメント(0)