めんどくさい

鯖書房 » 読書部 » 外国の小説 »  レーモン・クノー『あなたまかせのお話』

トロイの馬とかもう本当にうざったい。こういう馬いるよなぁいるいると思わせるあたりが堪え難い。「さあさあ、いいですか。有名な町といったら? ほらっ、ほらっ」…本気で勘弁してほしい。

アリスがフランスに行くとかもう考えられない。不思議の国にでも行っときゃいいのに、よりにもよってフランス!そしてnnnnnnnnn!そりゃそうだろうよ。そうなるだろうよ。

揚げ句の果てに「夢の話をたっぷりと」と。「当然ながらこれらの夢は…」などと得意満面で。お前は誰だ。何様のつもりだ。夢の話だとふざけるな。

そもそも、ウリポからしてが面倒くさいのだ。こんなことをいう。

シャルボニエ 処理が施されると、確かにシュルレアリスム的でしたね。

クノー ええ。しかしそのことには何の興味もありません。我々はシュルレアリスムを実践しているわけではないのですから。見かけはシュルレアリスム風かもしれませんが、用いた方法は違う。ここがとても重要な点です。

シュルレアリスムは属人的だ。ある程度の天才が自動記述するから、ある程度のすばらしい作品が生まれる。しかし、S+7法はそうではない。誰がやっても同じ結果になる。つまり、方法を正しく用いれば、そこそこの傑作が書ける。面倒くさい。非常に面倒くさい。だがこの面倒くささが、快楽なわけだ。コンピュータによる自動化などありえない。プチプチを雑巾しぼりで潰すようなものだ。辞書を引く面倒を喜びたい。いちいち満悦したい。こんなに面倒なものが遊戯であるはずがない。作業だ。ただただ反復する作業だ。凡人のために用意された手を動かす作業なのだ。

でも、結局ウリポは幾人かの天才と出会ってしまった。僥倖だといわざるをえない。

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