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日本幽囚記 (上)

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ゴローニン事件どころか『菜の花の沖』の粗筋すら知らないでタイトル借りしました。
まさか北方領土の復習をすることになるとは。
4つの島名を暗誦することが辛うじてまだ出来るだけで、一番大きいのはどれかすらまったく憶えていませんでした。

(p. 170)  食餌は一日三回、朝の出発前と、正午と、夕方夜営地についてからである。食べ物は朝、昼、晩とも大した差はなく、普通の御馳走は、パン代りの米飯、塩の代りが塩漬の大根二片、大根の吸物、(時には何か知ら野草の吸物)又は素麵、それに焼魚か煮魚一片である。たまにはスープに茸が入っていることもあり、固くうでた卵を一つづつ附けたことも二度ほどあった。
しかし定量というものはなく、誰でも好きなだけ食べていた。普通の飲物は、砂糖を入れない下等な茶で、たまには酒を出した。護送兵たちもわれわれと全く同じ物を食っていた。どうやら官費の賄ひらしく、宿泊の都度、年長の護送隊員が主人に全員の飲食費を払っていた。

上巻はじめで著者ら(ロシア人の一団)は早々に捕まってしまい、島の地理についての話は中断してしまうのですが、この頃(19世紀初頭)の日本に疎い身には細かい描写も面白く読めました。
とくに食事内容については、境遇の変化にともなって様子も変わり、そのつどいちいち記述されます。

(p. 182) 日本では人を拘束する時には、(事の正邪がまだ判明しない前でも)、高官の者でも必ず縄をかける、ということを耳にした。

すでに今現在と同じような気配があるなぁと思わせる下りもいくつか。

脱獄準備にあたり方位磁針を自作するやら日本側に寝返る者が出るやら、冒険活劇っぽくなってきたところで中巻へ続きます。