Archive for 2月, 2011

コモン・センス 他三篇

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アメリカがイギリスから独立する原動力となったパンフレットだそうです。

「俺たちは従属する玉じゃないぜ」という根拠を具体的な数字も含めて列挙してあるのですが、冒頭に掲げられるその自信満々の後ろ盾として旧約聖書が引かれるのに膝を折られてしまい、肝心の中盤以降にいまひとつ入り込めませんでした。
聖書をまた読み返さないとなぁと反省。

それはともかく意表を突かれて面白かったのが解説(著者の経歴、殊に前歴)です。

(p. 104) しかし、『コモン・センス』を書くまでの彼の経歴をみるとき、ひとは、そこからどうして後年の彼がでてきたかを理解するに苦しむであろう。

ゴータ綱領批判

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マルクスは体調に響くとあんなに何度も書き込んでいたのに、久しぶりですっかり忘れていました…。
もともと寝不足気味だったところで手に取ったのが更によくなかったようで。

分かりにくい本ではありません。
著者の展望するところについては『共産党宣言』よりも分かり易いくらいです。

しかしなぜかどうにも。

もうマルクスに敗北を認めます。完敗です。
白版は一通り読むつもりだったのですが、残りのマルクスは相方に振りたいと思います。

産業革命

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辞書を引いてもいまひとつよくわからなたった「囲込み(enclosure)」の詳細を思わぬところで確認できました。

技術革新が出てくる迄についても詳しく、話は工業だけでなく農業も含みます。

ある革命家の手記 (下)

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ちらっとだけマルクスとエンゲルスが登場したり、読む人が読めばたぶん錚々たる人物名が並んでいるのだろうなと思われる下巻です。

革命活動記録 ロシア篇(第4部)
監獄日記・脱獄篇付(第5部)
革命活動記録 西欧篇(第6部)

監獄生活についても部屋の広さからお仕着せの色にいたるまで詳細で面白いのですが、個人的には第3部の満州探検をもっと読みたかったところなので、著者が地理学から離れてしまったことが本当に惜しい…。

秘密警察がソ連の十八番ではなく、帝政ロシア時代すでに猛威をふるっていたらしい事を初めて知らされました。

ある革命家の手記 (上)

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自叙伝なのですが、悦に入った自分語りはありません。
著者の目に映った19世紀ロシアが淡々と書かれています。

モスクワ世相・風物誌(第1部)
農奴制・学校事情(第2部)
シベリア紀行(第3部)

といった内容で、わりと薄めにもかかわらず、3冊読んだような気分になりました。

麺麭の略取

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パン(報酬)のピンハネを告発する書かと見当外れな推測をしていました。違います。
いかにしてパン(文字通り)を略取するかの目論見書です。

著者が唱導しているのは、無政府(権力不存在)共産制。

怠け者が出たら?→追放
罪人はどうする?→罪人を生むのは、法律

追放された人はどこへ行ってどうなるのかとか、後が気にかかる点もいくつかありますが、ともかく恨みつらみの記述は殆どありません。
具体的な算段が頻出し、きな臭い気配もあまり無く。

長らく共産主義と社会主義の区別もつかずにいましたが、マルキシズムとアナーキズムとの違いはこの1冊目でよく分かりました。

ただ、著者の意図はさておき、現住所で政府転覆というよりは、むしろ新天地へ引っ越す気を起こさせそうなノリをなぜか感じます。

経済学原理 (五)

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(p. 177) ほとんど無政府状態といえるほど不完全な社会的結合の状態にありながら、なお若干の富を獲得し、また向上進歩の途において若干の前進をなしとげた国民は、いくつかある。けれども、政府の役人たちの恣意的な苛斂誅求にその国民が無制限にさらされておりながら、なお引き続き産業あるいは富を維持しつづけたという国は、まだ一国も存在しないのである。このような政府は、二、三世代もつづいたならば、必ず産業をも富をも根絶やしにしてしまうものである。若干の地方は、世界のもっとも麗しい、そして一時はもっとも繁栄した地方であったにかかわらず、ローマ人の支配下、後にはトルコ人の支配下において、ひとり右の原因のみによって砂漠と化したのである。私は『ひとり』という、なぜかといえば、戦火による荒廃、あるいはその他の一時的な災害からであれば、それらの国々は――あたかももろもろの国がつねにそうしているように――最大の速度をもって回復したであろうからである。困難や辛酸は、多くの場合、努力への誘因となるに過ぎない。努力をするということにとって致命的となるのは、努力をしてもそれが実を結ぶことを許されないであろうという気持ちである。

この大前提をふまえた上で、税金と民法がらみの話(政府の領分)をまとめた巻です。