Archive for 5月, 2008

国富論 (一)

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千本ノックのような本です。
そのような趣旨で書かれたものではないと思うのですが。

(p. 150)       食糧不足の年には、生計が困難で不確実なため、そうした人びとがみな仕事に戻ることを切望するようになる。…(中略)…貧しい独立職人たちは、自分たちの仕事の材料を自給するのに用いていたわずかな貯えを消費してしまい、生計のためにやとい職人とならざるをえなくなる。

この後さらに、食料品が高い年に賃金はしばしば低下する、と続きます。
思わず「独立職人」を「自営業」と読み換えて暗澹とした気持になりました。
200年以上前の著作とはいっても、マルクスと違い、こちら(資本主義)の実験はまだ「終わって」いないので、的中を覚悟して備えるのみであります。  

  

ちょっと予想していなかった方向からの記述としては

(p. 192)       ふつうの兵士がなにを失うだろうかということは、まったく明らかである。しかし青年志願兵たちは、戦争の勃発時にはとくにすすんで応募するし、彼らはほとんど昇進の機会がないのに、若者らしい空想で、名誉と名声を手にいれるという、おこりもしない無数の好機を思い描く。このロマンティックな期待が彼らの血の代価のすべてなのである。

とか、酪農業はもともと廃物利用(余った分を加工して長期保存)だったとか、そうすると醸造業(味噌やら醤油やら酒やら)も似たような話かなぁと、芋づる式に楽しい話題(怖い話題も)豊富。ダテに「古典中の古典」ではありません。見事です。

きなこと黒豆のアイス

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今月はじめに店(季の音:メニュー紹介→和パフェ→黒豆ときなこのパフェ)
で食べたパフェに使われていた黒豆入りきなこアイスがむやみに贅沢な美味しさだったので、自宅でも試してみることにしました。

きなこと、汁気を切ってフォークで粗くつぶした黒豆(砂糖煮)を、あらかじめ混ぜ込んで冷やし固める方式で。

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旨いです。このダブルフレーバーは強力です。
よくよく考えてみればどちらも大豆なのですが。

もう十分に過剰な美味しさですがしかし、きなこの香りや黒豆の風味は、トッピング方式のほうがより楽しめるかもしれません。
日を改めてそちらも試してみたいと思います。

これだから古典は怖い

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ノックスの十戒に足りないと私が思うのは「犯人は小賢しく」という項目です。これは「現代版」十戒という意味ではなく、あくまでも当時のノックスに、自らの十戒に加えてほしい。十一になるのは困るということであれば、「中国人禁止」か「ワトソンちょっと馬鹿」の項目を削ればいいでしょう。

という前置きを置いといて、あぁもうびっくりしましたよ。これ、他の作家が書いてたら間違いなく代表作ですよ。完全に油断したし、よもやこれほどまでに全力でフーダニットだとは、予想だにしなかった。そう、予想だにしなかった。

16年前の画家毒殺事件。犯人は妻。有罪判決懲役刑。そして、妻獄中死。なんだけども、妻は娘に「私は犯人ではない」という遺書を残していた。娘からの依頼を受け、ポアロ登場。

大昔の解決済み事件なので、手掛かりは関係者たちの「信用できない」証言しかありません。無理。その時点で無理。そしてご丁寧にも、その関係者たちに「信用できない」手記まで提出させるのです。カロリンに好意的な人も敵意的な人もみんながみんな、カロリンがやったと思ってるのですよ。

ここからネタバレですので、まだの人は絶対に読まないでください。人生の大いなる損失ですので。本当はもう、こうやって感想書いて公開していること自体がネタバレになっちゃうんですよねミステリは。

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法における常識

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ずっとつかみどころが分からないまま放置していた衡平法(エクイティ)の輪郭がはじめて少し見えてきました。

辞典や用語集の解説文が読めるのと、腑に落ちるのとは別の問題です。今更ながらしみじみと。
1年くらい後に再読したいと思います。

ヴァジニア覚え書

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以前は青版分類だったようです。

自分がたったいま住んでいる地方自治体の食料自給率が20%にも満たないことすらつい最近に知ったという有様なのに、200年以上前に書かれたヴァージニア州知事による覚書なぞ読んでどうするのか、我ながら脈絡のないことをしているなと思います。
手元にある岩波文庫版が初版から30年ほどで3刷というのも、それはそうだろう、妥当なところでしょう。

たとえ米国移住予定があるとしても、なにぶん古い話なので実用にはちょっと。
ところがこれが、面白いのです。

激越な描写(血とか猟奇とか)は殆どありません。ご当地の動植物やら産物から、昔の著作ならではの無造作(明解)なヒト(先住民・奴隷・入植民)の権勢状況解説まで、
淡々と、しかし面白い。

図版の添付がまったく無いのが惜しいところです。