Archive for 2月, 2007

うれしがり

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何が好きってペレックの、こんな種類のうれしがりだ。傍から見て微笑ましい、というよりは、おおお、お前もか、といった種類の。20世紀フランスの大作家を捕まえて、「お前もか」もないのですが、この気持ちは誰もが容易に理解しうるものでしょう。

ヘルマン・ラフケという醸造業で成功した美術愛好家に関する話。《美術愛好家の陳列室》というのはラフケが、ドイツ系アメリカ人画家ハインリッヒ・キュルツに描かせた絵で、ラフケのコレクションを収めたギャラリーが描かれています。ラフケの集めたヨーロッパの名画やアメリカの新興画など、百を越える絵画が、一定の割合で縮小され細密に再現されているのですが、それだけではない。この絵はこの絵自身をも含んでいる。つまり、《美術愛好家の陳列室》には《美術愛好家の陳列室》も描かれているのです。当然その画中画には百を越えるラフケコレクションが描き込まれていて、そこにもまた《美術愛好家の陳列室》が…。

ヘルマン・ラフケが亡くなった時に、この入れ子構造は完成します。遺書の細かい指示どおりに、ラフケの遺体は剥製にされ、キュルツの絵と同じガウンを着せられ、同じポーズでひじ掛け椅子に座らされます。そして、遺体は地下室へ。その地下室にはもちろん《美術愛好家の陳列室》とそこに描かれているラフケ・コレクションが絵と同じように陳列されているわけです。そのまま地下室は封鎖され、《美術愛好家の陳列室》は閉じられます。

と、ここで終わってもいいのです。ここで終わらないのがペレックです。いや、むしろ、ここから始まるのがジョルジュ・ペレックなのです。

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抹茶チーズケーキ

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なんだかあまり誕生日ケーキっぽくないですが、定員K、33歳になりました。

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今回は、ややふんわりとした、もろい感じの焼き上がりです。
とくに基本の材料配分や焼成時間を変えたわけでもないのに何故か…
前回のチョコレートチーズケーキとの違いは

・抹茶の使用量はココアより少ない(小さじ山盛り2杯くらい)
・そもそも抹茶とココアは別のもの
・仕込み時の室温(作った時間帯はほぼ同じだが、前回より春めいた陽気)

さてどうしてなのか。
わかりませんが、とりあえず、抹茶は直径18㎝型について上記の量を入れてみたところ、色味も抹茶風味もくっきりと出て、けれども苦いというほどにはならず、これが適量かなと思います。

黄金のろば 下巻

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終盤、ろばルキウスは女囚との白黒ショーに駆り出されることになった、筈なのですが、いつのまにか女神やら祈りやら救済やらの話に。
いったいどこで見世物の話がすっとんだのか、何度読み返してもその境い目はよくわかりません。

それはともかく、

p.186(本文p.128「生まれたら、すぐそのまま殺すように頼みました」への略註)
これは虚構的な着想ではなくて、古代にはその例を見ることが出来た。余り子供が多すぎて、育てても不幸になるという場合生まれるとすぐ両親の意のままに殺していた。それは男の子よりも、どちらかと云うと、持参金で厄介をかける、女の子の方が殺される場合が多かったようである。(V.Betolaud:ibid. P.478)

これまでずっと、女児の間引きは働き手として非力と判断されるからかとばかり想像していました。
女の子の方が、ゆくゆく金がかかるから、とは。
尾張名古屋文化圏の出身者としては、大昔の事として読み飛ばそうにも…うすら寒い話です。

(山芋で)三色団子

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つなぎ(小麦粉とか卵とか)も使わず山芋で団子、というレシピを見つけ、さてどんなかと試してみました。

(→【味の素KK】レシピ大百科:三色団子)

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パルスイートは白砂糖で代用です。

我が家の梅干しは色が薄いせいか桃色をうまく出すことができませんでしたが、目をこらせばいちおう3色。

食感は、団子というよりむしろ、さつま芋や栗の茶巾しぼりに近いような。
食べる際にレンジですこし温めると、芋風味が強まります、が、梅干しの風味も強烈になります。

黄金のろば 上巻

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語られる話の中の登場人物が更にお話を語り始め、その登場人物も更に…という入れ子構造を行ったり来たり、いちおう「」と『』が目印にはなるのですが、どれもだいたい同じような場所で同じような時代の話、基本は変身譚で人物描写をいちいち掘り下げるわけでなはい、となると、さていまは何重目の語りにあたるのだったやら。
途中から確認作業を放棄してしまいました。

ギリシア・ローマ抒情詩選 花冠

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目次で肝をつぶしました。

さっぽお
あなくれおーん
しもーにでーす

すべて人名です。
「名前は○○○でーす!」でありません。

ひらがなが持つ破壊力を見せつけられました。
しかし本文内では作者表記すべてカタカナなのです。
なぜ目次だけ…巻頭にも解説にも何ら断り書きなどは無く、疑問は頭をぐるぐる回ります。

アエネーイス (下)

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下巻になったら眠くて眠くていっこうに読み進めなくなり、どうもこれは漂流が終わってイタリア半島にたどり着いたら戦争が始まり場面移動に乏しくなったためと思われます。
考えてみるとこれは以前、『オデュッセイア』はまだ良かったものの『イリアス』がどうにも眠かったのと似たような事態に出くわしているようです。
戦争の発端が女というのも同じ。当該の女はしかし争ってるあいだじゅうまったく言及されず、そもそも発端が何であったか粗忽な読者は忘れてしまうくらい脇に退くのまで似ています。

七五調の訳文体に最後まで慣れなかったのもつらかった一因かもしれません。

しかし、本文のことはもうこのさい、うっちゃってしまうとして、訳者解説はとてもコンパクトで読み易くかつ興味深く、助かりました。
ローマ帝国史のまったく初心(教養が足りていない)者にとっては、岩波文庫の本ジャンル中ベスト1のありがたい解説です。

チョコレートチーズケーキ(ココア増量)

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バレンタインにかこつけての不摂生、前回よりココアを更に5g増量してみました。
ココア25g、牛乳は省略、焼成は110℃90分プラス130℃20分。
ココアはバンホーテン製(前回はどこのを使ったかもう忘れてしまいました)です。

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結果:前回すこしだけ物足りないと感じていた微妙な苦みが、今回はきっちりと出た、ような気がします。
5g増量ゆえなのかバンホーテン製ゆえなのかは判然としませんが。

アエネーイス (上)

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トロイの木馬とローマ帝国にはさすがに(中学の教科書で習った)憶えがありました。
しかしトロイア戦争の敗残者が落ち延びて…というのがローマの始まりだったとは、本書ではじめて知りました。
いかに自分が歴史に関心の無い中学生だったか、点のエピソードが線としてつながっていなかったか、隠しておくには恥ずかしすぎることならばいっそ話のとっかかりにしてしまえというやつです。

さて上巻は、落人アエネーアース一行の漂流記です。
せっかくなので地図帳をひろげて行程を確認、ペロポネソス半島とイタリア半島の位置関係が頭に入っていなかったことも確認。
イタリア半島のつま先→シチリア島のもうすぐ南がアフリカ大陸の北端。こちらは位置はまぁともかく、こんなに近いとは思っていませんでした。

本書ではじめてといえば、カルタゴという土地の因縁もようやく学習しました。
一昨年たまたま行ったチュニジア料理店で、塩野七生を読んでいる連れ合いは店の人とカルタゴについてにこやかに談笑しているのに、私はカルタゴがアフリカ大陸の地名であることすら認識していなかったのでした。
知らなくても死にはしないのですが、話のきっかけとしてあのとき既に本書を読んでいればなぁと。

散文体訳ではないことがむしろ売りらしいのですが、頭のなかで句点をいったん消去しないことには、リズムに合わせているとおかしなところで文節が切れるので意味を追うのがかなり難儀、けれども個人的には地理の勉強としてためになっています。

ふたりで分けると紛争のタネにならなくもない

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チロルチョコのバラエティカップなるものを懐かしさと勢いに負けて衝動買いしました。

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パッケージには「内容量:50個」との表記、5種類あるようだ…ということは各味10個か、と思いきや、数にはすこしバラツキがありました。
とりあえずこのカップでは、
ヌガー…12
黒ごまタルト…9
ビス…11
ミルク…9
アーモンド…9
この配分が偶然によるものかメーカー事情による恣意的なものなのかは不明です。

備蓄観念を持ち合わせていない鯖家において、おやつとは開封したら(こしらえたら)一時に食べきるもの、なのですが、今回は予想以上にヘビーでした。

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味のバラエティーもさることながら、ごくさりげなく「ミルク」の包み紙には(少なくとも)4種類ものホルスタイン柄が確認されたり、1パック468円が割安に思える充実した楽しさ。末永く続いてほしい製品です。

(→株式会社チロルチョコHP)