Archive for 3月, 2004

戦後最高の密室長編

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ピーター・アントニー『衣裳戸棚の女』創元推理文庫。戦後最高の密室長編の謳い文句は伊達ではなかった。すばらしいです。衝撃的です。密室ものって密室が提示された時点がピークで真相に向かってテンションが下がっていくという印象があるけど、これはほんとに意表をつかれた。ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』を読んだときと同じぐらいの驚きでした。タイプは全然違うけどね。

それはそうと、探偵が巨漢のおっちゃん(挿し絵つき!)で、冴え渡っているわけでもなく、厭世的でもなく、偽悪的でもなく、もったいぶらず、すかしてなく、かといっていい人でもなく、何というか、ふつう。作者25歳の作品らしいが、あまり若さゆえの気負いがない人物造形で、文章も軽め。それが密室トリックの秀逸さをさらに引き立てているのかも知れない。これは古典なんだよね。

寒い冬の

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森博嗣『四季冬』読了。なるほどなぁ。そう来たのか。そう来たというのか。予想できてもおかしくなかったが、全然予想できなかった。何れにせよ、読んどいてよかったよ。タイムリーだったよ。

しつこく読んでる『新現実2』。やっと「傷つける性」を読み終えたと思ったら次は「くびれ世代」の人が「くびれ世代」を卑下するエッセーでげんなりする。己の世代のことをおとしめることに何の快楽があるのか。こんだけ細分化した時代、そういう大括りに意味があるのか。僕はいわゆる団塊ジュニアのベイビーブームなのだが、あんまり意識したことないよ。というか意識するという話を聞いたことがないよ。それがこの世代の特徴だといわれればぐうの音も出ないけどさ。ぐう。

で、例によって週遅れ旬遅れ月遅れのフォーサイト。大統領選挙なんだねぇ。とりあえず民主党の人に勝ってほしいなぁ。根が鳩なので。

ベテラン作家

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『下り”はつかり”』読了。私としては「達也が嗤う」。なぜ達也が嗤わなければならなかったのかを考えていけば自ずと犯人は見えてくる。表題作はシンプルな構成、ちょっとしたことで世界が反転する。くるっとね。

通勤本として都筑道夫の『退職刑事』を読み始めた。最初の二編しかまだ読んでないがうまいなぁと思うであります。最初にちょっとした謎が提示されて、それが合理的に説明される好ましいスタイルです。昔の作家のミステリはこういう安心感があるので、疲れたときに読むといいように思われる。といいますか、未読名作があまりにも多いので、これからの人生楽しみです。『退職刑事』はたくさん出てますね。うれしいですね。『猫の舌に釘をうて』は読んだよ。そのうちに、また。